渡邊 健一 さん

食と風土の魅力をにかほから伝えたい。

にかほの風景を見て、移住を決意

 2017年秋、オーナー企業の飲食部門に関わることをきっかけに、二人でにかほ市に移住しました。はじめてにかほに案内された時、山の上から市内を一望しました。高原には牧場があり、海と山の距離感がものすごく近い。ひと目でこの土地に惹きつけられました。いまの店舗は、かつて地元企業の迎賓館として利用されていた邸宅。庭園にも、内装にもほとんど手を加えず、昔のままの気品を残しています。
 それまでは銀座で働いていて、次に行くなら環境を変えたいと思っていました。故郷の秋田に戻るというよりも、にかほが気に入ったんです。ゼロから新しいことを始める気持ちでここにやって来ました。
 何でも簡単に手に入る東京に比べると、確かに不便を感じることもあります。だけど田舎には、不便なりの良さもある。都会ではできない経験、自然に囲まれた健康的な暮らし、そして何より食の仕事に集中して向き合う時間が増えたと実感しています。

発信するレストランであり続けたい

 「レメデニカホ」の”レメデ”は、自然のチカラで治療するという意味。にかほの環境と、この土地の食材を使った料理で癒しを提供したいと思いました。秋田の人はもちろん、それ以上に東京や県外からのお客さまが、にかほへはるばる足を運んでくださるレストランにしたかったので、”ニカホ”を店名に冠しました。県外の方には、新鮮な魚介、由利牛、イチジクなど、にかほの特産を。そして地域の方には、普段食べる機会のない珍しい食材を楽しんでもらえるよう、メニューのバランスを考えます。
 また、秋田にいながらも「発信できる力をもつレストラン」でありたいというのは、昔から変わらぬ想いです。ここに来てからは「たべあきない食べる通信fromあきた」という情報誌を二人で責任編集しています。毎号ひとつの食材を特集し、生産者の声とともに秋田の食文化の魅力を全国に紹介しています。食の現場でつながる新しい出会いと発見を新鮮に感じています。

食でひろがる新たな可能性

 レストランから綺麗に見える鳥海山を目指して車を走らせると、グループ企業の農業法人「福寿草」があります。廃校だった建物のまわりには、広大な田畑があり、伝統野菜のカナカブのほか、30 品目あまりの野菜を栽培・加工し、農業と自然を守る環境づくりを行っています。私たちが使うお米と野菜の多くは、ここから直接届けてもらいます。また、魚介類はすぐそばにある漁港から仕入れられるので、新鮮な食材には本当に恵まれています。
 「秋田になかった野菜をつくりたい」「ブドウを栽培して地域産のワインをつくってみたい」。お店と産地の距離が近いにかほに来たことで、これから挑戦したいことも、少しずつ見えてきました。
 「福寿草」では、就農したい方たちの受け入れもしています。農業や食に興味のある方は、ぜひ一度にかほに足を運んでみてください。

移住を考えている人へひとこと

 都会にはなかった魅力を見つけて新しい地域をつくる楽しさがあります。

お店のホームページ

レメデニカホ

 

【にかほ市暮らしガイドブック(平成30年度版)より】

にかほ市役所 商工観光部 商工政策課
〒018-0192 秋田県にかほ市象潟町字浜ノ田1
にかほ市役所象潟庁舎
電話:0184-43-7600 Fax:0184-43-3239

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